魔術基礎知識 vol.1
聖別
魔術には約束事が多数存在します。ここでは魔術を行なう際、知っておくと役立つ基礎知識をご紹介していきます。
魔術を行なう前に、必ずやっておかなければならないのが聖別です。タロットカードも、使用する前はこの聖別を行ないます。聖別とは、魔術で使用する道具を、「霊的・魔術的な物」として、日常の物と区別をし、自分のものにすることです。浄化と混同されがちですが、浄化は対象となる石などから、霊的な影響を除くことをいいます。
では、聖別はどのように行なえば良いのでしょうか。聖別を行なう前に、貴女自身が綺麗になっておく必要があります。できれば入浴するのが良いですが、無理な場合は必ず手を洗ってください。
聖別方法にはいくつかありますが、初心者にも行ないやすいものをご紹介しましょう。
流水による聖別
本来は、川や湧き水などで行なうのが良いのですが、なかなか難しいです。ですから、水道水やミネラルウォーターを使用してもかまいません。
水を細長く流し、聖別する魔術道具が浄化されていくイメージをしながら、きれいなったと感じるまで流水にさらします。 簡単にできる方法ではありますが、材質によっては水につけられないものもあるので、向き不向きがあります。
お香による聖別
まずは作業をするテーブルを片付け、よく拭いて、きれいな状態にします。クロスを敷き、その上に香炉を置きます。他のものは乗せないようにしましょう。
お香を焚き、部屋の中を香で充分に満たします。気持ちを落ち着けたら、魔術道具をひとつひとつ、立ちこもる煙にくぐらせます。煙が二手に分かれるような感じに、聖別するものを通すのがポイントです。
お香は、自分の好きな香りを使うようにしてください。
火による聖別
お香と同じ手法で、キャンドルを使用します。キャンドルの火に、聖別したいものをくぐらすか、しばらくあぶります。
この手法は、金属くらいにしか使用できません。石は変質する恐れがあるので、避けたほうが良いでしょう。
月による聖別
満月および、その前後1日か2日以内に行なってください。
月の見える窓際をよく片付け、拭いて、綺麗にしておきます。その場所に、聖別したい魔術道具を一晩置きます。
太陽の光に当たらぬよう、日が上る前に回収します。
砂による聖別
きれいな砂を用意します。清潔にしてあるフライパンや鍋(できればおろしたての物が良い)で、砂を焼きます。
聖別したいものに、焼いた砂をサラサラとかけていきます。その時に、汚れたものが砂と共に流れていくことをイメージすると良いでしょう。
聖別は、道具のひとつひとつに「こんにちは」と挨拶をするような気持ちで行ないます。貴女が所有者だということを、道具に認識させることが最大の目的だからです。
当たり前のことですが、聖別し、貴女の所有物になった魔術道具は、大切に扱うようにしてください。