魔女アンテラの黒魔術とは
黒魔術とは…
黒魔術に対しては、一般にふたつの定義が存在します。ひとつめは、それが魔術師や魔女の利己的な欲望や、世の道理に反した目的のために使われる術であるということ。またふたつめは、多くの場合その儀式に際して悪魔崇拝や悪魔・悪霊の召喚を伴うということです。
黒魔術に関するひとつめの定義は、たしかに的を射ています。しかしふたつめの定義については、若干の修正を加えなくてはなりません。そもそも黒魔術師が召喚すると言われる悪魔(デーモン)というのはいかなる存在であるのか?西洋的な宗教によれば、それは神に反旗を翻した堕天使の集団であるとされています。が、しかし、アンテラ・サチェロはこのことを真っ向から否定しています。
サチェロ師によれば、「彼らダイモンは、太古において我らが母なる大地の創造に関わり、現在もなおその運行に携わる神々・精霊の集団であり、鬼神と呼ぶのはまだしも、低劣な悪霊の類と同義に扱うのは非礼の極みである」というのです。
黒魔術の本質
そもそも、悪魔の語源とされるダイモーンという古代ギリシャ語は「精霊」を指す言葉です。それが後発のユダヤ・キリスト教の世界観のなかで歪められ、ダイモーン=悪のみを為す存在であるという甚だしい誤謬が生まれてしまったのです。ダイモーンの存在は、その霊界にある眷属を通して、我々の物質界に直接介入する力を有しています。そしてまた彼らは超越的存在であるが故に、善や悪という人間的価値観からは本来、中立的な立場にあります。つまり魔術師の立場からすれば、彼らの神的パワーは善悪いずれの目的にも行使することができるため、術の使い手が黒魔術師であった場合に悪魔という名で呼ばれるようになってしまったのです。
ムーやアトランティスといった超古代の人類文明が存在していた頃、魔術は現代における科学技術と同等のポジションを有していました。そのサイキックテクノロジーは、人類社会の存続に欠かせないものだったのです。魔術が堕落したのはアトランティス末期、大陸の全土に覇権争いの戦火が上がった頃と伝えられています。一部の反逆者たちは、手強い政敵に打ち勝つため、魔術とその背景にあるダイモーンのパワーを悪用し始め、ここに至って本来の魔術大系は黒魔術と白魔術という相反するふたつの道に分離してしまいました。つまり、黒魔術の悪しき点はダイモーン自体にあるのではなく、術者が悪を目的として術を執り行う点にあるのです。また、さらに翻れば、ダイモーンの存在は黒魔術と同様、白魔術においても絶大なパワーを発揮することができる、ということになります。
サチェロ師は言います。「厳密には悪魔という者は存在しない。実際に存在するのは黒魔術師たちの手足となって働く悪霊である。また、それは魔術ではなく、人間の想念操作に関わる呪術の世界において語られるべきである」と。
これらの魔導具(アクセサリー)を用いるときには、くれぐれも邪な願望、祈りなどはなされないよう、ご注意申し上げます。