結婚の祈願をしたところ、さっそく素敵な男性からプロポーズを受けました！使い方も難しくないですよ！

本格魔術セットと聞いて二の足を踏んじゃったけど、この「ハッピーマリアージュ」で儀式を行えば確実に玉の輿婚に乗れると伺って、もう清水の舞台から飛び降りるつもりで買っちゃいました。魔術はおろかタロットとトランプの区別もろくにつかないような素人なんですけど、実際に使ってみると別に難しいことはなかったです。取説の英語もそんなに難しくないし、短大英文科卒の私の英語力でも普通に理解できました（笑）。

肝心の効き目なんですが、もうびっくりするくらいの速効性がありました。新しい祈願のスタートは月の満ち欠けの区切りの日が良いと教えてもらったので、新月の日に儀式を始めて、もう次の満月の日には思わぬ相手からプロポーズされちゃいました。その人、私の幼なじみで、高校卒業後にアメリカの有名大学に留学した天才イケメンなんですけど、大学院に進んだ最初の休みにたまたま故郷に戻っていて、その日に合わせて同窓会みたいな会が開かれたんです。

それで私も出席したんですが、会の主役とも言うべきその天才君本人から「高校時代よりずっと輝いて見えるね。とても素敵だよって…」囁かれてしまいました（照）。男性にそんな甘い台詞を投げかけられたのは生まれて初めてですし、しかもそれがＩＱ１８０の噂もある絶世の美男子だったので、たちまち真っ赤にのぼせ上がってしまって、あとは何を話したのかよく分かりません。

酔っぱらったのかなって思ったけど、そういう感じでもありませんでした。他の同窓生たちに気づかれないようにそっとメアドを交換して、翌日、二人きりで再び会ったとき、どうして私なんかに声かけたのってあらためて訊ねてみたら、「君の香水の匂いがとても素敵だったんだ。それで何となく目が行くうちに見とれてしまって…。僕もこんな風に恋に落ちたのは初めての経験だよ」と正直に答えてくれました。

でも私、舞い上がりながら首を傾げちゃいました。じつは昨日も今日も香水はつけていないのです。少し考えて、彼を魅了したのは儀式のときに使うお香の匂いであることに気づきました。毎晩、欠かさずお祈りをしていたから、あのマジックアロマの匂いが身体に染み着いちゃったようなのです。じつは彼、つい先週、アメリカに戻ったのですが、その直前、「向こうで一緒に暮らさないか」と誘われました。

つまり婚約して、ゆくゆくは結婚して欲しいということです。お父様は大会社の重役で経済的な援助も十分だし、MBAの資格取得後にはきちんと帰国してそこの会社で働くこともほぼ決まっているので、将来の不安は全くないのですが、ただあまりにもドラマティックな展開なので、ちょっと恐い感じがするんです。アンテラ様、私、この信じられない幸せを素直に受け取っていいんですよね？

（串間あやみ・23歳・派遣・埼玉）